このタイトルにつられて先週国立科学博物館の
特別展「グレートジャーニー人類の旅」を見てきた。
小学生のころミイラの展示を見たくて雪の降る上野まで出かけた
記憶があるが、今は科学博物館はきれいに生れ変っていた。
アフリカ・タンザニアに誕生したわれわれの祖先ホモサピエンスは、
6億年前遥かなる安住の地を求めて地球の果てまで拡散して行った。
冒険家・関野吉晴は1億年前の最後に人類が到達したとされる
南米大陸の最南端からあえて逆のルートでタンザニアを目指した。
6000mのアンデスの高地からアマゾンの熱帯雨林を経て、
ベーリング海峡を渡りマイナス40度の極北の地シベリアへ。
命がけで乾燥地帯アカタマ・ゴビ・ヌビア・ダナキル砂漠を歩んだ。
それは祖先に少しでも近づこうと自らの腕力と脚力だけをたよりに、
動力は一切使わない過酷で壮大な5万kの旅路の報告であった。