「去年今年貫く棒の如きもの」 高浜虚子の有名な句である。
新年の句会の季題も去年今年であるので作ったのが、
「去年今年地震列島わが祖国」 私と名句にはなんと差があることか。
逃げも隠れも出来ないこの日本で暮に一大政変があった。
デフレ脱却にお札をじゃんじゃん刷ればいいと言う自民党が大勝した。
市場と市民の期待感で株価は一挙に加熱して新年を迎える。
金融緩和で景気の底上げをして円安で輸出を増やす。
そして新たな市場を創成して成長戦略を進める。
これがアベノミクスの筋書きだがはたしてそのようになるのだろうか。
現在膨大な赤字国債を抱え込む日本の崩壊を虎視眈々と狙って
今か今かと待構えている海外の投資家がいるそうだ。
宝の山だったはずの国債が一夜にして紙切れになってしまった
あの戦中の悪夢を語る人はもうわずかになってしまったが。
国民はどうしてもわかりやすい目先の利に走ってしまいがちだ。
赤字国債の行く末の処理に誰も正解を出せないでいる日本で
本当に大破綻がきてしまったら誰がどうしてくれるのか?
これは選んでしまった国民ひとりひとりの責任であり賭けは恐ろしい。
「碇泊の汽笛が分つ去年今年」 (伊藤省三)