先日大学時代のデザイン研究会(デザ研)の連中と
中村カツ君を囲む昼食会を催した。
彼とは新宿でよく飲み歩き、いっしょに軟派し、
正月はあてもなく家でごろごろしていた思い出がある。
カツは理工学部機械科、私は花の商学部であったがデザ研では
なぜか気があった。
それが卒業の年になってカツが急に「俺は大学院に残ることにした、
勉強のおもしろさに気がついたんだ」と言い始めた。
それから2年後、大学院の卒業式でカツは総代に選ばれた。
こんな優秀な親友をもった私は感極まって会社を抜け出し、
卒業式にもぐり込んで写真を撮りに行った記憶がある。
それが突然去年の秋カツから電話をもらった。
「実は医者から膵臓癌の告知を受けた、かなり進んでいるらしい」
社長業をやめて急激に体重が減っているとは聞いていたが、
まさか、カツが、そんなとは、涙が止めどもなく流れた。
もっと早くやめたがっていた社長のストレスがこれほどだったとは。
昼食会ではカツにしてはめずらしく明るい色のセーターで、
体重もやや回復したそうでとても元気にふるまっていた。
やはり私にはカツがそうとはまだ信じられない。